実務ガイド

異物分析の手法の違い|FT-IR・EDX・SEM-EDS・GC-MS

依
依田尚人

著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表

11分
目次

異物分析の手法は、試料の状態と知りたい情報により組み合わせて選ばれるため、依頼者は手法名だけでなく目的、試料、日数、費用条件を伝えます。FT-IR、EDX、SEM-EDS、GC-MSは、同じ結果を単純に競わせる名称ではなく、観察、成分に関する情報、微小領域、追加解析など、目的との関係で確認する手法です。公開料金も方法名だけでなく、検体、課金単位、日数、比較対照、報告内容と併せて読みます。

この記事は、2026-09-08に確認した日本電子と島津製作所の公式技術資料、および公開受託条件の範囲で説明します。当サイトは個別の材質判定、手法の決定、分析の代行を行いません。現物の状態と知りたいことを整理し、分析機関が示す受け付け条件を確認してください。

異物分析の手法を選ぶ前の位置づけ

観察から解析へつなぐ実体顕微鏡と分析装置
観察から解析へつなぐ実体顕微鏡と分析装置

異物分析では、手法名から始めるのではなく、異物と関連情報を観察し、何を知りたいかを整理してから測定と解析へ進みます。島津製作所「異物分析におけるFT-IRの役割と限界」は、関連情報の収集、異物の観察、前処理、測定、解析の順序を紹介しています。確認日は2026-09-08です。

段階整理する情報公開資料での位置づけ
観察色、形、状態、発見した状況初期観察と関連情報の収集
目的の整理材質、元素、成分差など知りたい情報測定対象の絞り込み
手法候補FT-IR、EDX、SEM-EDS、GC-MSなど観察と目的に応じた組合せ
条件確認試料、日数、費用、比較対照、報告内容公開受託条件との照合
解析観察・測定・関連情報の組合せ単一情報で決めない検討

日本電子「異物分析の基本と装置の使い分け|XRF・SEM-EDSの活用事例もご紹介」は、初期観察、成分分析、製造工程との照合、原因特定と再発防止策の検討という流れを紹介しています。同資料は、異物が複数成分からなる場合や一つの測定で判断が難しい場合には、複数の手法を組み合わせて総合的に判断する考え方を示しています。確認日は2026-09-08です。

依頼する側が準備するのは、分析手法の結論ではなく、異物の状態、発見時の情報、比較できる試料、知りたい情報です。手法の候補は、こうした前提と公開されている受託条件をもとに確認します。機器名だけを指定すると、試料状態や必要な情報との関係が抜けることがあります。

目的の整理では、「何の名称の手法を使うか」より、「どの情報を確認したいか」を先に分けます。観察で分かる状態、成分に関する情報、微小な部分の情報、異常品と正常品の差などは、同じ問いではありません。目的が言葉になっていれば、公開条件の手法名、試料、日数、報告内容を照合するときに、必要な範囲を確認しやすくなります。

仕組み・原理

有機物と元素情報を分けて確認する樹脂片と金属片
有機物と元素情報を分けて確認する樹脂片と金属片

各手法は、対象から得たい情報を分けて考えるための選択肢です。日本電子と島津製作所の技術資料は、観察を前提に、有機物の可能性、無機物の可能性、混合物の可能性に応じて複数の測定を組み合わせる考え方を示しています。確認日は2026-09-08です。

有機物の可能性を確認する場面

日本電子は、有機系の異物についてFT-IRにより分子構造を解析し、より詳細な成分情報や微量成分の解析が必要な場合にはGC-MSにより有機化合物の分離・同定を行うと紹介しています。島津製作所は、有機物の可能性が考えられる異物にFT-IR測定を用い、詳細な解析が必要な場合には元素情報やMSなどの手法を組み合わせる考え方を示しています。両資料の確認日は2026-09-08です。

ここでいう「有機物の可能性」は、見た目だけで材質を決める意味ではありません。異物が単一成分か、複数の成分が混在しているか、製品側の付着物があるかで、測定から得られる情報の読み方は変わります。FT-IRだけで個別の材質を必ず決められるとはせず、観察、関連情報、必要に応じた別の測定と結び付けて確認します。

元素や微小領域を確認する場面

日本電子は、無機系と考えられる場合にXRFで試料全体の元素組成を把握し、必要に応じてSEM-EDSで微小領域の局所的な元素分布や複合粒子の詳細構造を解析する流れを紹介しています。食品環境衛生研究所の公開受託条件には、簡易検査とEDX分析を組み合わせる異物検査の表示があります。技術資料と受託条件の確認日はともに2026-09-08です。

EDXまたはSEM-EDSという名称だけでは、試料の状態、観察結果、知りたい情報、追加の解析が必要かどうかまでは決まりません。金属片、ガラス片、樹脂片のように見える異物も、外観だけから成分を断定しません。観察で得た形や状態と、元素に関する情報を確認したい目的を分けて伝えることが重要です。

日本電子の資料は、XRFで試料全体を把握し、必要に応じてSEM-EDSで微小領域を解析する例を示しています。これは、広い範囲の情報と局所的な情報が同じものではないことを示す説明です。依頼時には、異物の全体を見たいのか、特定の部分について情報を得たいのかを、写真や発見時の状況と併せて整理します。確認日は2026-09-08です。

種類・方式の違い

観察と関連情報から手法候補を整理するガラス片と毛髪
観察と関連情報から手法候補を整理するガラス片と毛髪

手法の違いは、名称の一覧ではなく、観察と目的から候補を絞る流れで理解します。公開技術資料では、有機物の可能性、無機物の可能性、混合物の可能性に応じて、FT-IR、SEM-EDS、EPMA、GC-MSなどを組み合わせる考え方が示されています。確認日は2026-09-08です。

観察と関連情報から候補を絞る

島津製作所の技術資料は、関連情報の収集、異物の観察、前処理、測定、解析を順に進める考え方を示しています。関連情報には、発見した状況や試料の状態が含まれ、観察では大きさ、形状、存在箇所、状態などから情報を得ると紹介されています。確認日は2026-09-08で、依頼時には異物の色や形の印象だけではなく、写真、現物、発見時の情報を合わせて伝えます。

日本電子の技術資料は、無機系の異物にXRFやSEM-EDS、有機系の異物にFT-IRやGC-MSを用いる例を紹介しています。ただし、これは公式資料にある手法の位置づけであり、特定の見た目の異物に一つの手法を決める一覧ではありません。試料の状態と知りたい情報により、分析機関が示す方法と受託条件を確認します。確認日は2026-09-08です。

単一の測定で結論を出さない

島津製作所は、複数の有機物が混在する場合や主成分の類縁物質・劣化物が想定される場合にはFT-IRによる解析が難しいことがあると紹介しています。そのような場合には、FT-IRに元素情報、MS、NMR、クロマトグラフなどの手法を組み合わせる考え方を示しています。確認日は2026-09-08です。

日本電子も、一つの測定結果で判断が難しい場合や異物が複数成分から構成される場合には、複数の手法を組み合わせて総合的に判断すると紹介しています。このため、単一の公開料金や手法名から、個別の異物の原因や材質を当サイトが結論付けません。依頼時には、確認したい範囲と試料の状態を伝え、分析機関の説明を確認します。

複数の手法を組み合わせる可能性があることは、全ての依頼に同じ追加検査が必要という意味ではありません。試料の状態、観察の結果、関連情報、目的によって、確認すべき条件は変わります。公開料金に方法名がある場合も、その表示が基本検査なのか、追加検査なのか、比較対照を含むのかを確認してから読みます。

実務でどう効くか

手法別の公開条件を確認する分析装置と検体袋
手法別の公開条件を確認する分析装置と検体袋

手法の理解は、依頼時に必要な情報を整理することに役立ちます。公開料金を読むときも、手法名だけで比べず、試料、課金単位、日数、税表示、比較対照、報告書の内容がどこまで公表されているかを確認します。

手法別の公開料金を読む

日本食品分析センターは、材質の調査として赤外吸収スペクトルの測定を税別25,000円、元素の定性試験を税別35,000円、いずれも納期7営業日として公開しています。確認日は2026-09-08で、検体種、定量下限、検体数などにより納期と価格が変わる条件です。方法名と価格だけを他の公開例と並べず、対象と試料条件を確認します。

食品環境衛生研究所は、簡易検査とFT-IR同定、または簡易検査とEDX分析を組み合わせた異物検査を、それぞれ税込27,500円、通常4営業日として公開しています。食品微生物センターは、一次検査を税別18,900円、納期3営業日とし、合成繊維・樹脂類のFT-IRによる二次検査を税別26,400円、一次検査3営業日に加えて5営業日からと示しています。両者は課金単位が異なるため、金額の順序を決めず、確認日は2026-09-08です。

AHCは、プラスチック片のFT-IRを税別9,800円から、3営業日として公開しています。これはプラスチック片という対象を示した公開例であり、金属・ガラス・鉱物片、異臭物、繊維・毛髪とは別の方法や日数を掲載しています。確認日は2026-09-08で、対象、方法、税表示、日数を残して読みます。

日数、試料、報告書を確認する

日数は、方法名と同じく条件の一部です。食品環境衛生研究所は簡易検査とFT-IR同定について、通常4営業日・税込27,500円、1営業日の短縮条件・税込55,000円を公開しています。確認日は2026-09-08で、同じ方法名でも日数の条件が変わる公開例です。公開されていない試料量や報告書の内容を、日数や価格から推測しません。

比較対照と報告書も確認します。食品環境衛生研究所は異臭検査について異常品と正常品の比較検査を基本とし、1検体のみでは報告書に考察や評価を記載しない条件を掲載しています。ただし同検査は2026-09-08時点で一時休止中の表示があり、手法名、税込27,500円という1検体の表示だけで受付を見込みません。必要な報告内容と受付状況は各機関の公表で確認します。

依頼条件を図解でつなぐ

目的から依頼条件へつなぐ四段階と樹脂片
目的から依頼条件へつなぐ四段階と樹脂片

依頼前は、目的、試料、手法候補、費用・日数・報告書の条件を順番に整理します。この順序なら、公開された手法名や料金を見つけた後で、必要な試料と目的を後付けすることを避けられます。

目的から手法候補を整理する4段階

第一に、何を知りたいかを、材質、元素に関する情報、成分差、異物の状態などに分けます。第二に、現物、写真、発見時の情報、比較できる試料を整理します。第三に、観察と関連情報をもとに、分析機関が示す手法候補を確認します。第四に、各候補の試料、課金単位、税表示、日数、比較対照、報告書の条件を確認します。

この四段階は、手法を決め打ちするための手順ではありません。日本電子と島津製作所の公式技術資料が示す、観察、関連情報、測定、解析をつなぐ考え方を、依頼時の確認項目に置き換えたものです。各資料の確認日は2026-09-08で、個別の試料にどの方法を用いるかは分析機関の説明を確認します。

依頼先の比較軸は異物分析の依頼先の選び方、費用の条件は異物分析の費用と価格が変わる条件で確認できます。一次検査と二次検査の加算方式は、異物検査の一次・二次検査の費用に整理しています。

まとめ

FT-IR、EDX、SEM-EDS、GC-MSは、異物の状態と知りたい情報に応じて確認する手法です。観察、関連情報、試料、手法候補、費用・日数・報告書の条件をつなげ、単一の手法名や公開料金だけから個別の結論を出さないことが重要です。

依頼前の初動は異物混入を発見したら:分析依頼前の初動と検体保管、費用構造は異物分析の費用と価格が変わる条件、加算方式は異物検査の一次・二次検査の費用で確認できます。実務ガイドの関連記事は実務ガイドにまとめています。

よくある質問

Q. どの手法を選べばよいですか
手法を一つに決め打ちせず、異物の状態、発見状況、知りたい情報を伝え、分析機関が示す条件を確認します。日本電子「異物分析の基本と装置の使い分け|XRF・SEM-EDSの活用事例もご紹介」は、初期観察と成分分析、複数手法の組合せを紹介しています。確認日は2026-09-08です。
Q. FT-IRだけで材質を決められますか
試料の状態や情報によっては、観察や他の手法を組み合わせて解析する考え方があります。島津製作所「異物分析におけるFT-IRの役割と限界」は、複数の有機物が混在する場合などに、FT-IRと元素情報や他の手法を組み合わせる考え方を紹介しています。確認日は2026-09-08です。
Q. 手法ごとの料金はそのまま比べられますか
表示される料金は試料、手法、日数、課金単位で異なります。条件を併記し、同じ前提でない数字を同列に比べません。日本食品分析センター「異常品(異物検査・異臭検査など)」、食品環境衛生研究所「異物検査・異臭検査」、食品微生物センター「異物検査」、AHC「異物検査」の確認日は2026-09-08です。

出典

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  6. 6.
    AHC「異物検査」(ahc-bact.co.jp)